【社労士が解説】中小企業の事務担当者必見!「労働時間」と「休憩時間」の正しい労務管理ルール
はじめに
中小企業で労務管理や給与計算を担当されている事務担当者の皆様、日々の業務お疲れ様です。
従業員の勤怠管理を行っていると、「着替え時間は労働時間に入れるべき?」「昼休みの電話当番はお給料を払う対象になる?」「出張や直行直帰の時間はどう計算すればいい?」など、実務上の判断に迷う場面は非常に多いのではないでしょうか。
労務管理において、賃金を支払う義務のある「労働時間」と、そうでない時間を明確に区分しておくことは、無用な労使トラブルを防ぐための大原則です。
今回は、労務管理の基礎である「労働時間と休憩時間」の正しいルールと、実務で迷いやすいグレーゾーンの判断基準について、社会保険労務士がわかりやすく解説いたします。
宮本人事労務パートナーズ代表。
石川県金沢市出身。金沢市を拠点に、全国対応で助成金申請に注力した社会保険労務士事務所を運営。
中小企業が「人」と「経営」の両面で強みを発揮し、持続的かつ自律的に成長できる環境をサポート。
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1.「労働時間」と「そうでない時間」の明確な区分
まず基本となる考え方ですが、出社してから退社するまでのすべての時間が労働時間になるわけではありません。
時間は大きく分けて「労働時間」と「労働時間ではない時間(休憩時間など)」で構成されています。
労働時間とは
「従業員が会社の指揮管理下で労務を提供する時間」のことを指します。会社は、この労務提供の報酬として賃金を支払う義務があります。
休憩時間(労働時間ではない時間)とは
「会社の指揮管理下から外れて従業員自身が自由に使える時間」のことです。従業員が自由に過ごせる時間であるため、会社はこの時間について賃金を支払う必要はありません。
2.法定労働時間と、中小企業が知っておくべき「特例措置」
労働基準法では、労働時間の上限を「1日8時間・週40時間」と定めており、これを「法定労働時間」と呼びます。会社が就業規則などで設定した勤務時間(所定労働時間)を超え、さらにこの法定労働時間も超えて時間外労働をさせる場合には、あらかじめ「36(サブロク)協定」を結び、時間外労働をした時間分の割増賃金を支払わなければなりません。
【事務担当者必見!法定労働時間の特例措置】
原則は「週40時間」ですが、一部の事業場には特例が設けられています。
従業員が10人未満の「商業」「映画・演劇業(映画製作事業を除く)」「保健衛生業」「接客・娯楽業」に限っては、特例措置対象事業場として「1日8時間、週44時間まで」が法定労働時間として認められています。
自社がこの特例に当てはまるかどうか、一度確認しておくことをお勧めします。
3.実務で間違いやすい「休憩時間の4つのルール」
休憩時間は、ただ最低限の時間を与えればよいというものではなく、与え方に厳格な決まりがあります。以下の「最低限のライン」が守られているか、自社の運用をチェックしてみましょう。
① 労働時間の「合間」に与えること
業務の開始前や終了後に休憩をまとめることはできず、 必ず業務の途中で付与しなければなりません。
② 休憩時間は従業員が「自由」に過ごせるようにすること
前述の通り、会社の指揮命令から完全に解放されている必要があります。
③ 労働時間の長さに応じた休憩時間を与えること
労働時間が6時間を超える場合は「45分以上」、 8時間を超える場合は「1時間以上」の休憩を与える義務があります。 なお、最低時間さえ確保していれば、 何回かに分けて休憩時間を与えても構いません。
④ 事業所の全員に「同時」に与えること(一斉付与)
休憩は原則として全員一斉に取らせる必要があります。 ただし、労使協定を結べば一斉付与の例外が認められ、 交代で休憩を取らせることが可能になります。 なお、この休憩時間の一斉付与の例外に関する労使協定は、 労働基準監督署に届け出る必要はありません。
4.労働時間かどうかの判断基準(グレーゾーンの判定)
実務担当者を最も悩ませるのが、 「この時間は労働時間に含まれるのか?」という判断です。
ここでは、具体的なケースごとの判断基準をご紹介します。
■ 実労働時間になるもの
会社の指揮管理下にある時間
- 制服の着替え時間
- 業務前の準備や業務後の片づけ
- 手待ち時間
(例:昼休み中でも電話当番や来客対応を命じられている時間)
■ 労働時間ではないもの
会社の指揮管理下から離れている時間
- 昼休みなどの規定の休憩時間
- 私用外出
- 組合活動
- 中抜け時間
■ 状況によって判断が分かれるもの
● 次の仕事までの待機時間・移動時間
コーヒーショップで休憩するなど、 自由に過ごせる時間がある場合は、 休憩時間として扱えるとされています。
● 就業時間外の教育訓練(セミナーなど)
休日セミナーなどで、 出欠を自由に決められる場合は 原則として労働時間にはなりません。
ただし、黙示の命令がある場合は別です。
● 健康診断
有機溶剤健康診断など、 業務上必要な特殊健康診断は労働時間となります。
一般健康診断は必ずしも労働時間ではありませんが、 実務上は労働時間として扱う企業も多くあります。
● 仮眠時間
電話対応や緊急対応が義務づけられている場合は、 仮眠時間であっても労働時間になります。
5.専門家に相談!直行直帰・出張・テレワークの労働時間
働き方が多様化する中で、社外での労働時間の把握も事務担当者の重要な課題です。
① 直行、直帰、出張の労働時間はどう判断する?
直行先に着いた時間から労働時間が始まります。そこまでの移動時間は、移動中に会社から特段の用務を命じられている場合等を除き、基本的には労働時間にはあたりません。
直帰の場合は、最後の仕事先での業務が終わった時間が労働時間の終了時間です。
出張中については、労働時間の長さにかかわらず「所定労働時間働いたものとみなして」賃金を計算している会社もありますが、近年は労働時間の実態把握が厳しく義務づけられているため、実態と異なる運用は法令違反の恐れもあるので注意が必要です。
② テレワーク中の労働時間管理
自宅などで働くテレワーク中であっても、当然のことながら労働基準法が適用され、労働時間の適切な管理が求められます。
電話やメールによる始業・終業の報告だけでなく、位置情報などとともに出退勤の時刻が記録できるような、勤怠管理システムの活用を検討することをお勧めします。
6.おわりに
いかがでしたでしょうか。 「労働時間と休憩時間の区分」や「手待ち時間などのグレーゾーンの判断」は、給与計算の根幹に関わるだけでなく、未払い残業代トラブルなどの大きな労使リスクに直結する重要なポイントです。「自社の勤怠ルールが法律に違反していないか不安」「直行直帰やテレワークの社員の勤怠管理を見直したい」といったお悩みがございましたら、ぜひお気軽に当事務所へご相談ください。
社会保険労務士が、御社の実情に合わせた適切な労務管理体制の構築をサポートいたします。
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